年末が近づいてきました。
年の暮れに贈与を検討される方も
多いのではないでしょうか。
贈与は相続税の節税を考える上で
大変有効な対策ですが、何を贈与するかで
効果が大きく異なります。
現金の贈与に比べて、不動産の贈与は
相続財産を減らすだけでなく、
毎年の所得税の節税にもなる
場合がありますので、効果が大きいと言えます。
◆不動産の評価額は現金より低い
贈与税や相続税の計算をする際、
まず相続財産の評価額を算出します。
このときに現金や預貯金、株式などは
時価と同等の評価額になりますが、
不動産の場合は土地も建物も
一般的な取引価格よりも低い価額で
評価されることがほとんどです。
土地・建物の評価額は次のような額になります。
◆相続税と贈与税の費用
贈与税は、相続税に比べて高い
税率になっています。これは、
同じ金額の財産を移転した時に、
贈与税の場合の方が税金は
高いという意味です。
相続税も贈与税も累進課税方式と
なっていますので、相続する
もしくは贈与する財産が大きくなればなるほど、
税率が高くなります。逆に言うと、
移転する財産の金額が小さければ、
低い税率となります。
効果的に贈与をするためには、
この低い税率を利用します。
多くの財産をお持ちで、相続税が
高い税率で課税されることが、
わかっている場合には、低い税率の
範囲で贈与をし、贈与税を
払ったとしても、総額では
少ない税額ですむように
対策をすることができるのです。
贈与のポイントは、少額の贈与を、
コツコツと行うことです。
注意したい点は、贈与をする際の
諸費用です。不動産を贈与すると
登記費用や登録免許税、
不動産取得税などが、相続の場合に比べ
余分にかかります。相続による
不動産登記の際の登録免許税は
贈与の5分の1ですし、
不動産取得税はかかりません。
したがって、相続対策として
贈与をする際には、税額の大小だけでなく、
諸費用も含めて、検討する必要があります。
次回は早めに贈与すべき財産についてお話します。
笹井